プロ野球日本ハムの大谷翔平選手の契約更改が行われました。事前の報道では3億円の大台を史上最年少で突破するということで注目されていましたが、結果は2億7千万ということになったそうです。
これに対してネット上からは安い!とか言われています。私もこの数字は非常に安いと思います。活躍に見合った給料でないことは確かです。
大谷翔平は昨シーズン投手としては10勝、打者としては3割を超える打率をたたき出し、チームにとって欠かせない存在となっていることは誰もが認めるところと思います。スーパースターである大谷のプレーを見るために球場に足を運ぶ方も多かったでしょうし、それによって日ハム自体のファンも増えたことでしょう。
それではなぜ、このような活躍を見せる選手を冷遇とも思える年俸にしておくのでしょうか?そして大谷選手はなぜ契約に踏み切ったのでしょうか?
個人的な見解ですが、この年俸設定については様々なことが原因していると思います。まずは大谷の22歳という年齢とプロ4年というキャリアの浅さにあります。確かにここ最近の活躍を見れば5億円とか6億円とか、日本人トップクラスの年俸をもらっても不思議ではありませんが、年齢的に言えばまだ22歳、大学を卒業する歳です。
そのため試合以外でのチームに対する貢献度という意味では、逆に「チームの先輩たちの世話になっている存在」ということになります。野球というスポーツが個人競技であればまた違った結果になっていたかもしれません。史上最年少という記録というものをあえて与えなかったとも受け止められます。
2つ目の理由は大谷が「二刀流」であること。これは賛否が分かれるところだと思います。二刀流というのは本人の負担は大きいですが、チームにとってもすべてが歓迎できることではありません。一人で二人分の活躍をしてくれるのだから・・という効率重視の考えもあるでしょう。
しかしながらそうなると、他の選手の活躍の場がなくなってしまいます。本来ライバル争いというのは同じポジションの選手通しが行うものですが、大谷の場合は他に競争相手がいません。出場するだけで観客が増えてしまうのですから、もはや活躍云々はあまり関係ないのです。
もし大谷選手をライバルとするのであれば、投手として10勝以上、打者として3割以上を打てる選手にならなければいけません。もしかしたら本気でそれを志す若い選手も出てくるかもしれません。極端な話、大谷が年俸10億だとしたら、二刀流というジャンルが確立し、投手は打者としても活躍できるのが理想・・という風潮になってしまいます。
そうなると、野球界全体のレベルの低下や選手への負担増など、プロ野球を目指す選手たちに悪い影響を与えかねません。二刀流になったところで大した年俸でなければ、自分の本来のポジションを更に磨くことができます。
3つ目の理由は、日ハムが来シーズン終了後のメジャー挑戦を容認していることが挙げられます。大谷選手はメジャー挑戦を早々に表明しており、その意思は固いと言われています。そして今シーズン終了後に改めて球団側に意思表示し、球団もそれを認める形になったそうです。
メジャーリーグは「絶対に活躍できる」などという甘い世界ではありませんし、大谷の二刀流がどこまで通じるかは未知数です。正直言うと今の彼の実力からすれば、両方とも中途半端と言えるのではないでしょうか?スーパースターですから巨額の契約が交わされることは間違いありませんが・・。
わかりやすいたとえをすれば、イチロー選手や田中将大選手と大谷選手を比較したとき、中途半端感がありますね。このままいくと両方メジャーでは通じないかもしれません。
個人的に思うのは、活躍に見合う年俸ともらうのが理想であって、観客動員に直接的な影響を与えた選手にはもっと多くの報酬を支払うべきと思います。例えば8億とかそのくらいの額は球団にとっては痛くもかゆくもありませんから。ジャパニーズドリームがあっても良いという考え方ですが、やっぱり二刀流だから年俸が増えるのは違和感があります。
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